読書ログ:『サピエンス全史(下)』

2018年上半期に読んだ本たち - ふゆみけ〜おかわり〜」にも書いたけど、半期ごとにまとめるスタイルだと数多いと大変&最初の方の内容忘れてる、となってしまうので下半期からは1冊ずつ残していくことにする。

てな訳で中途半端だけど下巻から。

印象に残ったのは

  • 科学革命は無知を自覚したところから始まった
  • したがって「世界にはまだ知らない場所があり、そこを探検・征服したい」という動機の帝国主義と相性がよい
  • 無知から始まり知識を広げていく科学革命から「進歩」という発想が生まれた
    • それ以前は現在は過去より劣った時代であるという発想が支配的だった
  • 進歩という発想のおかげで資本主義が成立し得た
    • 「進歩(=成長)する」という発想がないと投資は成り立たない

というあたり。

言われてみればキリスト教って「昔は楽園だったけどそこで罪を犯した人類が〜〜」という筋書きだし、昨日より今日、今日より明日のほうが優れているという発想って我々は当たり前のように持っているけど実は近代の産物というのは、驚きだけど納得感がある。

著者も言及しているけど歴史学の大きな役割の一つは、こうした要領で現代の我々が当たり前だと思っている価値観、あるいは伝統や文化といったものは実は相対的なものに過ぎないと明らかにすることなんだろう。

陰謀の日本中世史 (角川新書)

陰謀の日本中世史 (角川新書)

今はこれを読んでいる。『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)』の人の新作。

歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史

歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史

こちらは『[まとめ買い] 銃・病原菌・鉄』の人が著者のひとり。Kindle版出たら読みたいが専門書のくくりっぽいので果たして出るのか……!?