読書ログ:『砕かれたハリルホジッチ・プラン 日本サッカーにビジョンはあるか?』

W杯の予習として読んでおこうと思ったら結局読了したのはW杯終了後という残念な展開。でも面白かった。

内容としては「5レーン理論」という現代サッカーの主流理論を軽く紹介した上で、ハリルのアルジェリア、日本での代表的な試合を取り上げ解説。ハリルが現代サッカーの潮流と日本代表の現実との狭間で「何をやりたかったのか」を明らかにしていくもの。

たまにサッカー見るんだけど、この辺の高度な戦略、戦術論になるとさっぱり分からなかったので図を交えて丁寧に解説してくれて分かりやすかった。願わくばハリルだけでなく欧州の強豪クラブチームの戦略、戦術も同じ作者に解説してほしいと思うぐらい。

もともとはW杯でのハリル采配をより楽しむための副読本として計画し書かれていたが、〆切直前で解任が発表されたため急遽構成を見直したらしい。本書でも、また各所でも言及されているが、やはり直前での解任となりこの4年間の成果を検証する機会が失われてしまったことはとてつもなく大きな損失のように思える。

本戦では「上がアレでも監督含めた現場の頑張りで結果を残してしまう→本質的な課題が覆い隠されてしまう」という日本社会の縮図。哀しい。次は森保監督でオールジャパン体制って大丈夫なんだろうか果たして。

解説者の流儀

解説者の流儀

CS見る人には既にお馴染みだったが、日韓大会で赤モヒカンだったイメージしかなかった戸田和幸がいつの間にか非常に優れた解説者(そしておそらくは優れた指導者)になっていたことが今回のW杯で全国に知れ渡ってしまった。というかテレ朝以外の民放の解説陣(+山本昌邦)がひどすぎるのだが……