2017年上半期に読んだ本たち

上半期と言いながら7月に読んだのも含まれている気はする。

全部で19冊。これに加えて統計検定準1級の勉強もがっつりやってたので読書家とか勉強家とか言う前にこんな時間あるってことはお前真面目に仕事やってたのかと疑うべき。

時系列順じゃなくてカテゴリ別にまとめます。

分析・技術書

ディープラーニング嫌い芸人を続けるのはいいが知らずにケチつけるのはよくないということで読んだ。

そのままPythonで写経しても今更つまらないのでScalaで書いたりもした。

github.com

前半はいいんだが後半は「ロジックだいたいこんな感じだよ! コードはGitHubに書いてあるから読んでみてね!」で全然ゼロから作ってない。看板に偽りあり。

岩波データサイエンス Vol.3

岩波データサイエンス Vol.3

因果推論は楽しい。オーソドックスな回帰手法や確率についてある程度深く知っていないと理解できないことが多く理解できると優越感が得られる(統計の知識をマウンティングの手段にするのはやめましょう)。

統計的因果探索 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

統計的因果探索 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

データだけから因果を明らかにしようという野心的なアプローチ。実データでいろいろ試してみたい。

詳解 Apache Spark

詳解 Apache Spark

大量データを分析するならやっぱSparkだよねという話。実務で使う機会にはまだ恵まれていない。

社会学

社会学 (New Liberal Arts Selection)

社会学 (New Liberal Arts Selection)

社会学修士号を持っているはずだが理論を疎かにしていたせいでほとんど忘れてたので復習。日本の社会学者が書いてるので内容が日本社会に即しててギデンズのやつより読みやすい。

数理社会学入門 (数理社会学シリーズ)

数理社会学入門 (数理社会学シリーズ)

数理社会学の理論と方法 (数理社会学シリーズ)

数理社会学の理論と方法 (数理社会学シリーズ)

社会現象を数理モデルで説明しようとする社会学の(なかでもマイナーな)一分野。合理的選択理論や社会的選択理論やゲーム理論やネットワーク分析を駆使しまくる。

最近数理社会学やりたい欲が高まっているが「やっぱ生活水準落としたくねえなー」と悟ったのでまた大学院に行くことは当分なさそう。

デザイン

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

ノンデザイナーズ・デザインブック [第4版]

いい分析にはいい可視化が欠かせないよね。というかむしろ高度な分析しなくてもただデータを可視化するだけで価値が生み出せる余地ってまだたくさんあるよねということでデザイン系の本を読んだりしている。

「デザイン」というとセンスが云々という話になりがちだが実はかなりの部分は再現可能な原則から成り立ってるので理詰めで到達できるところまでは到達したい。

これを読むとプレゼン資料が綺麗になる。実例はこちら

たのしい インフォグラフィック入門

たのしい インフォグラフィック入門

たのしい(コメントが尽きてきた)

ビジネス書

製品開発の知識 (日経文庫)

製品開発の知識 (日経文庫)

最近開発組織のマネジャーを始めたんだが「どんなにいい開発チームを作ったところで組織全体の戦略とマネジメントがちゃんとしてないといいもの作れないよね」という壁に早くもぶつかったのでプロダクトマネジメント系の本を読み始めてる。

戦略とはつまるところ厳しい外部環境と限られたリソースの中でどこにリソースを重点的に注ぐか(逆にどこには注がないか)を決定することで中途半端にあれもやるこれもやるが一番よくない。

人文・社会

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

規格化大事という話と、機械化によって人の仕事が奪われるとか昔からよくあってコンテナの場合は労働組合がすっげえ抵抗して経営者と交渉して妥結してコンテナ化による利益を経営者と労働者でそれなりに分け合ったんだけど、昨今のAIブームで仕事が奪われる系の議論には組合とか全く出てこなくて労働者は搾取されるだけなんだろうな感があるのはなんでだろう。グローバリゼーションによって国際的な競争が激化したからでしょうねとかそんなことを(この本には全く書いてなく勝手に)思った。

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

冷静な語り口で事実をかなり整理して淡々と述べているがそれでもさっぱり分からないので応仁の乱がとにかくカオスだったということがよく分かる。

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

文明社会の我々からは不合理で不完全で「遅れてる」ように見える「未開」地域の人たちの暮らしぶりは実はすごく体系的で合理的であることを明らかにし、その事実から逆に我々文明社会様を相対化するのが文化人類学の仕事だとしたらこの本はまさにそれ。

でも私はその日暮しはしたくないです。生活水準落としたくないです(本日二度目)。

さっきのが空間の次元ならこっちは時間の次元。昔はひどいし今もひどい。いつだってひどい。

で、まさに空間と時間の結節点に存在するのがこの本。辺境地域と室町時代の日本が似ていてむしろ現代日本社会のほうが異常なんじゃないかと思えてくる。

応仁の乱もそうだが今ひそかに室町時代ブームが来てるのは今の時代がカオスだという認識からか。となるとそろそろ織田信長が出てくるのか。

知っておきたい「酒」の世界史 (角川ソフィア文庫)

知っておきたい「酒」の世界史 (角川ソフィア文庫)

お酒が好きなんです。

小説

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉 (文春文庫)

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉 (文春文庫)

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第2部〉 (文春文庫)

泣き虫弱虫諸葛孔明〈第2部〉 (文春文庫)

天才・酒見賢一がその才能を遺憾なく発揮して好き放題やってると評判の『泣き虫弱虫諸葛孔明』がついに完結した&第四部が文庫化されたとの報を受け、三部まで読んだの結構前なので四部買う前に読み返してる。

てか今年ぜんぜん小説読んでないな俺。