2020年12月に読んだ本たち

今年のうちに片付けるぞっ→無理でした。。

SaaSビジネスにとって解約の分析は見過ごされがちだけどすごく大事、ってのは間違いないんだけど、この本は単なる自社のチャットボットサービスの宣伝。金返してくれぃ。

人口の多寡が歴史上の出来事に及ぼした影響はすごく大きいんだぞ、という主張。確かに人口≒生産力であり軍事力。いわゆる「マルサスの罠」を最初に抜け出したアングロ・サクソンが世界の覇権を握ったんだが、ブリテンの人口増加が頭打ちになると同時に他の欧州諸国にも人口動態の波が押し寄せ、特にドイツとロシアに対する脅威論が2つの世界大戦の背後にある。などなど、今までなかった視点から歴史を捉える。ちょっと翻訳が読みづらいのと、欧米の歴史の詳しいところまで知ってて当然感を出されるところがやや難点。

日本テレビでスポーツ中継に携わり、今はWOWOWの社長を務める著者がスポーツ中継制作のリアルを語る。タイトルの通り、スポーツ中継に一番大事なのはフィロソフィーである(それ自体曖昧な表現だが笑)。競技の理解と選手へのリスペクトがないと駄目、というのは本当にそう。T◯Sとか特に人間ドラマに集中しすぎて競技を伝えるのがおろそかになったりしていているので、見習ってほしい。

ビジネス書かと思って手にとったら若干ニュアンスが違って、NETFLIXの創業からライバルであるブロックバスターの破産までを描いたノンフィクションの趣。創業者はヘイスティングとランドルフの2人いて、最初はランドルフがメインだったのが後にヘイスティングが実権を握り会社は成長するが、その過程でランドルフは離脱していく。読んだ感じでは自分はランドルフ派だなーと思った。自分が甘い人間なのか。

苦しかったときの話をしようか

苦しかったときの話をしようか

もはや伝説のマーケターとして崇められている(?)森岡毅氏が、就職活動を迎える娘に向けたキャリア論を書き溜めておいたのがひょんなことから編集者の目に止まり、出版された本。出版の経緯上、もはや何でも好きに書いてくれやという話なんだが、娘への愛情の厚さとそれを惜しげもなく開陳するところにちょっとお腹いっぱいな気分になる。内容はところどころ見るべきものはあるものの、基本的には「自分の強みを知り伸ばせ。自分の強みが生きる環境を見つけろ」でそんなに変わったことは言ってない。あとところどころマッチョイズムというか、あんた大成功者だから言えるよねーというのが見え隠れする。

名作「劒岳〈点の記〉 (文春文庫)」を読んだ人にとって最大の謎として残るアレを解明しに、探検家である著者が現地調査を繰り重ねていき核心に迫っていく。元ネタ小説のネタバレはしたくないので詳細は伏せます。

で、謎の核心についてはところどころ強引な展開はありつつも、結論がとにかくアツい。この人の他の著書も読みたくなる。

年内にまとめたかったが、年をまたいでしまった。遅ればせながら2020年のまとめも書きます。